高齢者の事故は増えているのか?思い込みなのか?
「最近、高齢者の事故のニュースをよく目にします。ほとんどが、アクセルの踏み間違いによるもののように感じます。高齢者が増えていく中でどうなって行くのか?」
と自然とテレビやネット情報などで、漠然と考えていました。
しかし、「ファクトフルネス」を読み、これって本当なのだろうか?と疑問を持ち調べていたら、
これに出会いました。
「ファクトフルネス」では、初めに、世界の事実に関する質問があり、チンパンジーでも33%は当てることができる三択の問題を、人間は思い込みや勘違いで、優秀と言われている人でも正解率は低い。2017年に行った、14カ国・1万2,000人の調査でも、地球温暖化の質問をのぞくと、平均正解数は、12問中たったの2問だった。全問不正解の人も15%いたそうだ。
このような知識不足は、
「ドラマチックな本能と、ドラマチックすぎる世界の見方」
が間違った思い込みを作り、「事実に基づく世界の見方」の邪魔をしている。
という事を言っています。
その著書の翻訳をした方が作った、日本バージョンの問題があり、早速やってみると、その問題の質問1、質問2がズバリ自分が調べようと思っていたものだった。それを参考にまとめて見ました。
実際に知りたかった事は、
①高齢者の事故は増えているのか?
②これから高齢者が増えていくと事故が増えるのか?
というところ。
答え
①高齢者の事故数は微増。しかし・・・。
交通事故件数で言えば、平成20年の6,840件から見ると減っているが、28年の5,703件に比べると29年は5,876件と微増しているが減って来ていると見てもいいのではないか?!しかし、全体の事故からすると高齢者の事故の割合が増え、テレビのニュースが目立つので、凄く増えている印象となってしまっている。
交通事故の死者数は、29年中3,694人と警視庁が保有する昭和23年以降の統計で最小になり。高齢者の交通事故死者数も29年は、2,020人と20年の2,523人と比較して、19.9%減少している。しかし、こちらも全体の死者数からみると、高齢者の死亡者数は54%となり、この数字だけを見ると多く見えてしまう。
②実はこれから高齢者の人口は増えないと言っても過言ではない。
2019年現在の65歳以上の人口は約3592万人で、ピークの2042年約3935万人となっており、そこからは減少して、今から40年後の2059年の約3571万人と今と変わらなくなる。ピーク時でも人数的には、約350万人しか増えない。全人口から見たら変わらないと言ってもいいのかもしれない。
しかし、人口推移の表を見ると、2059年から高齢者人口は減って行くものの、全人口に占める割合は、どんどん増え40年後は、約38%となっている。よって、人数は減っても高齢者が目立つようになっているという事。
その頃には、自動運転や他の移動手段も出来ていると思うので、今以上に、死亡事故は減っていると思うから事故は減っているはず・・・。
まとめ
これから、高齢者で免許を保持している人の人数も増えていくようなので、しばらくの間は、高齢者による事故が目立つ可能性もあるが、実際は全体の事故(高齢者も)が減っている。
その中で、テレビやマスコミで取り上げる為、高齢者の事故が目立つだけで、件数は減っている。さらに、車の性能が上がり、踏み間違えなどの事故は減り、自主的に免許を返す人も増えているので事故は減って行くと思われる。
個人的に早く、自動運転の時代がきて欲しい!
ちなみに、「ファクトフルネス」の問題で、自分は、世界の方は、3問、日本の方は2問の正解という結果でした。トホホ・・。ニホンザルに負けてます。いかに、きちんとしたデータや情報の知識がなく、テレビやマスコミの情報に踊らされていたか、知ることが出来た。
これからは、きちんとしたデータを確認して、判断していきたい。
参考
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
止まれ暴走老人!脳を見て分かった「高齢交通事故」急増の理由(朴 啓彰) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
90歳事故で議論再燃!? 高齢者の運転どう考える - NHK クローズアップ現代+
I 高齢者を取りまく現状|平成29年交通安全白書(全文) - 内閣府